2014年 02月 16日
北高尾 駒木野~富士見台(豪雪により敗退) |
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by namifujisan
| 2014-02-16 22:07
| 山
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2013年 10月 06日
ここ8年くらい、ほぼ毎年訪れている東北の地。
なんでこんなに惹きつけられるのか?もしかして前世は東北人?というくらい、年に一度は「東北」を補給しないと生きていけない体になりました。 というわけで今回は東北の中でも私にとって未踏の地である「下北半島」へ。 夜行バスで青森に入り、レンタカーであてもなく回ってみることにします。 まずは青森駅前の魚市場を散策。 こっちの方ではめったにお目にかからない魚に心躍ったり、 新鮮激旨の海鮮丼に舌鼓を打ったり、 駅前の露店で買った名産の「嶽きみ(甘くてうまい!)」をつまんだり、 しょっぱなから楽しいぜ! 車を下北半島西海岸沿いに走らせる。 内海の陸奥湾なので波はおだやか。 ふと寄り道した海沿いの空き地のすぐ横を大湊線が走る。 2時間に1本のローカル線の汽車が走っているところに遭遇できるとは、幸運でした。 昼は道の駅横浜にて。 陸奥湾でとれた新鮮なホタテのフライ定食。激旨! いやーなんか食ってばっかりだ。太るな、こりゃ。 下北半島最大の都市、むつ市で海鮮系の食材と、アルミのヤキソバプレート(簡易バーベキューコンロとして)と網、チャコールブリックを購入し、本日の宿「国設薬研温泉野営場」へ。 平日の夜ということもあり、野営者は我々を含め4組ほど。広いキャンプ場を独り占めで大変気分良し。 まずは温泉!ということで「夫婦河童の湯」という日帰り施設へ。 簡素だけど落ち着いた良い温泉でした。満足。 キャンプ場に戻り早速火を起こし、プチ海鮮バーベキュー。 青森産のサバとホタテ。もう言うことありません。 難点は、チャコールブリックだけでは火力が弱く、持続力も無いことだけど、まあ仕方無いね。 空には十六夜の月がとてもきれい。下北という最果ての地にしてはそれほど寒くもない過ごし易い夜。 朝の目覚めもすっきり爽やか。 さあ、今日は今回最大の目地、下北と言えばここ「恐山」! まずは恐山菩提寺の山門をくぐり、 本堂の脇からいよいよ「あの世」の旅へ出発。 不気味な風景の「地獄」と、美しい湖畔の「極楽」が交互に現れる。 その浮世離れした光景は、昔の人にはまさに「死後の世界」に見えたことでしょう。 日本三大霊場の一つがここに開かれたのも頷ける。 そして、ここは全域に渡り豊富な温泉が湧出、強烈な硫黄の匂いに満ちており、境内に無料の「恐山温泉」も存在する。 道の真ん中から源泉が湧き出してたり。 まさにここは下界とは一線を画す「異界」ですな。うん、嫌いじゃないな、こういうの。 温泉に浸かってさっぱりしたら次の目的地、マグロの町・大間崎へ。 恐山から1時間ちょっとで本州最北端の地に到着。 対岸に見えるは函館の街。 ここに来たらやっぱりこれでしょう!というわけで。 旨い。旨すぎる。特に赤身が最高! 海っ傍の無料休憩所では地元の方が奏でる津軽三味線が切なく激しく鳴り響く。 うーん、どんより曇った最果ての海に似合いすぎるぜ。津軽三味線はブルースだ! 大間からまっすぐ海岸線を南下。 名勝「仏ヶ浦」を展望台より鑑賞。 この辺は、通る車もまばらで、海沿いと言っても道はほとんど山中を走り、時折海沿いの小さな漁村を通過するという、なんとなく西伊豆をスケールアップしたような雰囲気で、物寂しさがヒリヒリ染みてくるようだ。 そんなこんなで半島をぐるっと回って再びむつ市に戻ってきたのはすっかり陽も落ちてから。 これから寝床を探すのも面倒だし、昨日のキャンプ場はとても良かったので連泊することに。 今日も再び海鮮バーベキュー。相変わらず火力が弱いけど、青森産のスルメイカが甘くて最高! 3日目。薬研野営場を後に、下北東海岸を南下します。 鉄道路線の無い下北では、道の傍らに下北交通のバス停が点々とあり、このなんともトボケた絵に心癒される。 むつ市内で朝食。これが「大湊海軍コロッケ」だそうな。 普通に美味しかったです。 下北半島東海岸は、西海岸以上に閑散・寂寞とした風情の中に時折太平洋が顔を出す。 向こう岸はハワイかロスか。 車の居ないまっすぐな道をひた走り、七戸の街を経て本日の宿泊地・八甲田山酸ヶ湯(すかゆ)キャンプ場へ。 昨日までのキャンプ地の夜はそれほど寒くなかったけど、ここ八甲田は標高1,000mということもありさすがに寒い!月はとっても綺麗だけど。 あまりの寒さに受付で購入した木炭をガンガン焚いたけど、それでも寒いのでバーベキューも早々にテント内でこじんまりと宴会。 地酒で体を少し暖めて早々にシュラフに潜り込み就寝。うー、寒い! 翌朝。あまりの寒さに妻は合羽着たまま寝てました。 隣接する「酸ヶ湯 千人風呂」で冷えた体を暖め、周辺を軽く散策。 恐山同様、ここ八甲田も道路の真ん中から源泉が湧出。 やはり北の大地は自然が濃厚だ。 面白かったのがこの「まんじゅうふかし」という場所。 最初は温泉饅頭でも売ってるのかと思いきや、湧き出す源泉の上に板を二本渡しただけの場所。 板の上に座ると、ちょうどいい感じの温度で下半身が温められるけど、なんでこれが「まんじゅうふかし」? あ、要するに「まんじゅう」というのはアレのことかいな。なるほど。そういうことかいな。 昔の人はユーモアがあるね。 というわけで「二個のまんじゅう」を十分ふかしてホクホク退散。 八甲田を後に、次なる目的地、田舎館村の「田んぼアート」へ。 途中の「城ヶ倉大橋」のたもとに居る、リアルな動物の像と戯れる。 そして田舎館の少し手前、黒石にてB級グルメ「黒石つゆやきそば」を。 想像していたよりもあっさりとした、ちょっとソースの味がする日本蕎麦的な趣で、とても美味しゅうございました。 たまたま入ったこの食堂は、なにやら映画の舞台となった店だそうな。 70年以上前からやってる老舗らしく、つゆやきそば以外にもいろんなメニューが並んでいる。今度は親子丼でも食べてみたいな。地酒飲みながら。 黒石は、歴史的建造物保存地区があり、古い商店が建ち並ぶ光景は趣があって楽しい。 そしていよいよ田舎館村「田んぼアート」会場へ。 今年のテーマは「日本の花魁とマリリンモンロー」ということらしい。 確かに緻密で凄いよこれは。まさにアートと言える。 でも、せっかくなら以前の「風神雷神」みたいな和風の柄が見たかったな。来年また来るか。 ちなみに花魁の方のモデルは梅沢富美男だって。なんだかな~。 次は「道の駅いなかだて」にある第二会場。 こちらのテーマはウルトラマン。 今年は全体的にこういう傾向のようだ。 これはこれで見ごたえあるけど、やっぱり和柄が見たいな~。 田舎館を後に、一路青森へ。 夕暮れの青森港から眺める青森の街はとても美しい。 記念船として保存公開されている旧青函連絡船「八甲田丸」。 ここで妻は一足先に夜行バスで帰宅。 私はあともう一箇所行きたいところがあるのであと1日滞在。 で、その行きたい場所というのがここ。 キリストの墓。ムー世代には懐かしい。一度来て見たかったんだよねー。 まあ実際に見てみると「ふーん。」って感じは否めないけど、見に来れてよかった。 これにて今回の旅は無事終了。 やはり何度来ても東北は楽しい。 #
by namifujisan
| 2013-10-06 12:12
| 旅
2013年 10月 05日
9月最後の土日に、夏休み最後の1日+7月の休日出勤振り替え1日をプラスして4連休を取得。
ずっと行ってみたかった南アルプス 甲斐駒ヶ嶽へ行ってきました。 甲斐駒へ登るルートとしては北沢峠から駒津峰を経由して行くのが現在最もポピュラーなのだけど、今回は古くからの信仰登山の道である「黒戸尾根コース」を選択。 黒戸尾根は「日本三大急登」の一つと言われ、登り口の竹宇駒ケ嶽神社から甲斐駒の頂上まで標高差2,300m。 噂によると相当キツイらしいので荷物は極力軽量化したいところではありますが、テント場の様子がよくわからない&高山での風対策を考慮し軽量900グラムのルナーソロ(ワンポール・シングルウォールテント)ではなく約2kgのダンロップVS20(ダブルウォールテント)を選択。 さらに小屋でビールを買えなかった場合を想定しワインを1L携行。3泊4日分の食料とあいまって荷物はズッシリ20kg強のライトヘビー級。 だいじょうぶか?俺・・・。 と若干の不安を抱えつつ4時44分地元駅発の電車に乗り、中央線長坂駅からタクシーで30分、登山口の尾白川渓谷駐車場に到着したのは8時半過ぎ。はるばる来たもんだ。 というわけで早速登り始めましょう。 まずは登り口に鎮座まします竹宇駒ケ嶽神社に参拝。 神社脇の尾白川渓谷にかかる吊橋を渡るといよいよ日本三大急登・黒戸尾根が始まる。 と言っても斜度はそれほど激しくキツイわけではなく、まあ普通なんだけど、それを延々2,300mも登り続けるのかと思うと愕然とするという感じ。 しばらく土の道を登り続け、視界がパっと開けたところが名所(?)“刃渡り”。 切り立った岩尾根で見た目は怖いけど、しっかり鎖の手摺が設置してあるので思いのほか危険度は低い。でも強風+雨だったらかなりヤバそうではあります。 刃渡りからしばらく急な斜面を登ると“刀利天狗”。 このあたりから道の脇に「~神」「~仏」と刻んだ大小の石碑が連綿と現れるようになる。 それらの裏には、古くは江戸時代から新しくは平成まで、様々な年号が刻まれており、いかに駒ケ嶽が古くから信仰の対象として尊崇を集めていたかがヒシヒシと伝わり、次第に厳粛な気分になってくる。 一度、足がもつれて転んだとき、高さ60cmほどの小さな石碑を倒してしまったのだけど、これを元に戻すのが汗をかくほど大変、すなわち「めちゃくちゃ重い」のである。ザックの重量なんて足元にも及ばないほどの重さの石を背負ってこの山道を登ってきた昔の人ってスゲーなー、と素直に感心する。 五合目を過ぎるといよいよ黒戸尾根の核心部、垂直のハシゴと鎖場が交互に現れる難所に突入。 ハシゴも鎖もしっかりしているのでそれほど怖くは無いけれど、20kgザックを背負って登るのはキツイ。 一気に息が上がり汗が吹き出し、持続する緊張感に写真を撮る余裕無し。 ようやく最後の橋を渡ると七丈小屋に到着。テン場が混んでいるようなので休むヒマなくテン場へ直行、最後に一箇所だけあった空きスペースにテントを設営。 いやー危ない。あともう少し遅く着いてたら張れなかったよ(*実はこのテン場の真上に第二テン場あり、そっちは空いていましたが展望がイマイチ)。 テントを張ったら後はゆっくり寛ぐのみ。 ビール、ワインと飲み進むうちにガスが晴れ、鳳凰三山がこんにちは。 明後日にはあそこまでたどり着けるかな~?などと景色を見ていると、あちjこちのテントから這い出してきた人たちが同じように感心しながら景色鑑賞を開始。 本日のテン場に集った人たちはソロが多く、皆静かで落ち着いた人ばかりでとても良い感じ。いつもこんな感じだといいなあ。 陽が落ちると甲府方面の夜景がとても綺麗で、テントの扉を空けて眺めつつ、ヘッドランプの灯りで読書をしつつワインを飲む。至福のうちに19時頃就寝。 翌朝は2時過ぎに起床。 さすがに寒いけど、外に出ると満点の星と、美しい三日月。最近山ではいつも悪天候だったので、久々の美しい夜空に感動しつつ朝飯食ってテント畳んで4時半過ぎに出発。 昔の信仰登山者がご来光を拝むための場所である「八合目御来迎場」に5時半前に到着すると、ご来光を待つ人が10人ほど。荷物を下ろして一緒に待ちます。 待つこと約15分、5時40分頃に東の空からご来光。 厳粛。荘厳。壮麗。 ごく自然に「神」を感じる瞬間です。ひとしきり撮影し、拍手を打って本日の無事を祈願して出発! と思いきや、ここで強烈な「自然の欲求(大きいほう)」が波状的に襲来。 え~、さっき小屋のトイレでしっかり出してきたばかりなのに~(悲)。 仕方無い。普通ならちょっと脇に入って穴掘って・・・という局面だけど、この山でそれをする気にはなれず、空荷で一旦小屋まで下る。 小屋のトイレで用を足し、トンボ返りで再び御来迎場まで登ってちょうど1時間でスッキリ再出発。 ここから頂上まで1時間ちょっと、確実な3点確保必須の岩登りが続く。 二本の鉄剣がそそり立つ岩峰。 頂上直下より西峰頂上を望む。 まずは東峰に、着いたどー! 東峰から5分ほどで最高点の西峰に、着いたどー! 感動である。黒戸尾根最高!甲斐駒最高! ひとしきり広い山頂を周遊。しかしまだまだ先は長い。15分ほどで出発、仙水峠に向けて下る。 途中、駒津峰のピークへ一旦登り返し、頂上でしばし休憩。 このあたりは北沢峠からの日帰り登山者がほとんどで、大荷物背負って反対側からやってくる私が珍しいらしく、あちこちから質問を受ける。 「黒戸尾根から来たの?」 「そうです!(ちょっと得意気)」 「その荷物背負って?」 「そうです!(かなり得意気)」 「すごいですねー。」 「いやー、それほどでも!(もっと言って!)」 的な会話を何度も繰り返し、テンション上昇。アホですな。 駒津峰から仙水峠までは膝が笑うほどの急な下り。更に、ジリジリ照り付ける太陽に炙られ、峠に降り立った頃にはかなり消耗気味。 そして目の前には早川尾根への最初の関門である栗沢山が凶悪な斜度と比高を見せ付けるようにそそり立っていて、大いに気分が萎えるも、ここを越えないと先に進めないので休憩もそこそこに登り始める。 さすがに南アルプス随一の不人気コースと言われるだけに、さきほどまでの道とはうって変わって細々とした踏み跡チックな道がまっすぐ一直線に頂上まで続いている。 最後はこれまた3点確保必須の岩登りとなりようやく1時間半がかりで栗沢山頂上。 頂上から、駒津峰(左)と魔利支天(右)を従えた甲斐駒ケ嶽(中央)の雄姿を望む。 まさに「南アルプスの白い貴公子」と呼ばれるにふさわしい、神々しいまでの美しさ。信仰の対象になるのも頷ける。 この時点でちょうど正午。 ここから本日の目的地、早川尾根小屋までは3時間のコースタイム。 さてもうひとがんばり!と次なるピーク「アサヨ峰(2,799m)」へ向けていよいよ早川尾根縦走開始! って、これはなかなか厳しいですよ。結構なアップダウンのあるゴロゴロ大石だらけの尾根道に、午後の強い日差しが容赦なく降り注ぎ、急速に体の水分が奪われていく。 これはこまめな水分補給が必須、とハイドレーションのバルブを咥えて吸引したらなんだか「ズズズズ」という嫌な音とともに口中に水ではなく空気が流れ込んで来た。 こ、これは・・・間違いなく「水切れ」。 おいおい、この局面で水が無くなったってか? 朝、2Lたっぷり補充してきたのに? あまりのショックにその場に座り込み数分間放心状態に。 ようやく我に返り、地図を見ながら善後策を検討。 一番近い水場は、来た道を引き返し仙水小屋もしくは北沢駒仙小屋。所要時間2時間半、ほぼ下りのみ。 次に近い水場は、このまま早川尾根を進み予定通り早川尾根小屋。所要時間3時間、かなりアップダウン。 しばし黙考。どっちにしても3時間近くかかるなら先に進むか、という結論に至り、3時間(実際には4時間近くかかったけど)の苦行開始。 食料は豊富にあるけれど、食べると喉が渇くので結局は飲まず食わずで4時間弱。 最後は20m歩いては20秒休む、みたいな感じで這うように瀕死の状態でようやく最後の小ピークに到着、あとは10分ほど下れば小屋、というところで記念(?)撮影。 完全に死んでますな。南無阿弥陀仏。 どうにかこうにか即身成仏することなくたどり着いた早川尾根小屋で、小屋番の奥さんが出してくれた冷たいお茶は天国の味。 さらにビールを買ったらエビスが出てきた! 地獄から極楽へバズーカで打ち上げられた気分。 キンキンに冷えたエビスを一気にゴクゴク飲み干してテント設営。 小屋の中は大人数の中高年グループがワイワイ賑やかだけど、テン場は私一人。 賑やかな声を遠くで聞きつつ、アルファ米とレトルトグリーンカレーの夕食を腹に収め、本を開く間もなく夢の世界に落ち込んでいたのでした。 3日目。 明け方、疲れのせいか、妙にはっきりした変な夢を見つつ3時過ぎに起床。 いつもの棒ラーメンを食い、テント畳んで出発したのは6時過ぎ。もっと早出したかったけど今日はこれが限界。 早川尾根小屋は、比較的若い(推定40代後半)、気さくで愛想の良い夫婦が経営する小さいけど心温まる良い小屋でした。感謝。 早川尾根は高嶺(この登りがまたかなりクライミング的な岩登りで緊張感バツグン)で終わり。 高嶺(2,788m)の頂上より、昨日から歩いてきた道を望む。 はるばる来たもんだ。 高嶺を過ぎるといよいよ鳳凰三山エリアへ突入。 噂どおりの白砂の道は確かに綺麗で楽しいんだけど、照りつける太陽を反射して暑い&目が痛い。 あまり長居したくない気分だったので、地蔵岳の地蔵搭(オベリスク)へは寄らずに先を急ぐ。 また今度。 鳳凰三山の真ん中、観音岳頂上より来し方を望む。 甲斐駒はもう遥か彼方。薬師岳を過ぎればこの景色はもう見えなくなる。ちょっと寂しい。 さらば甲斐駒また来る日まで(尾崎紀世彦ふうに)。 目を転じれば南アルプスの盟主、北岳、間ノ岳、農鳥岳の白峰三山が大迫力。 あっちも近いうちに行くべし。 薬師小屋を経て南御室小屋に着いたのが13時前。本当はこのテント場で停泊予定だったけど、明日は雨予報&終着点の夜叉神バス停までコースタイム3時間。17時11分の最終バスに余裕で間に合うじゃないか、ということで一気に夜叉神まで下ることに方針変更。 南御室小屋から先は林道チックなとても歩き易い道で、一気に歩き切って夜叉神峠に3時過ぎに到着、後はバス停まで40分下るだけ。 というわけでビールで一人乾杯。お疲れちゃん、俺。 きっちり40分かけてバス停まで下り、トイレで体をボディペーパーで拭いていたら、棚の上に預金通帳やらカードやらがテンコ盛りに詰まったポーチが置き忘れられているのを発見、店の人に届けるというハプニングもありつつ無事バスで甲府まで帰着、8時ちょうどのあずさ2号(ウソ)で帰宅したのでした。 キツかったけど楽しかった! 南アルプス最高!甲斐駒最高! また行きたいな。 終り。 #
by namifujisan
| 2013-10-05 13:08
| 山
2013年 06月 23日
昨年10月の3連休に行ってきた山の話です。
私事ながら、10月1日の人事異動で新しい職場に変わり、それまでとは勤務場所も仕事内容もガラリと総とっかえ的に激変、43歳のオッサンには厳しい「新たに覚えなければならないことだらけ」な最初の一週間がようやく終わり、心身ともに疲労困憊していた週末。発作的に出かけたのは最近の定番「奥秩父」。 暗く陰鬱な深い森が疲れた心を癒してくれるに違いないと期待して朝4時過ぎの電車でGO! 中央線で塩山まで。そこから登山口の西沢渓谷まではバスも一日数本あるのですが、時間的にかなりロスがあるので今回は贅沢にもタクシーで。 駅で似たような格好してる人がいたらナンパして乗り合いで運賃浮かそうと思いあちこち見回すも誰もおらず、仕方なく一人で乗車。残念。 出発地点の道の駅には7時半前に到着。準備して早速歩き出します。 まずは雁(がん)峠まで一気に上り詰めます。途中までは林道歩きということで、鼻歌交じりの軽い気分にいきなり鉄槌。 なになに?9月18日にゲート前にて熊の足跡多数確認?ってつい3週間前やん。 しかもこのルートはかなりマイナーなので人気もほとんど無い。 というわけで熊鈴を盛大に鳴らしながら恐る恐るGO! 道自体は「林道」と名がつくだけに非常に歩き易い。 しかし最後のほうは亀裂が縦横に走る荒れた道になり、林道終点からは普通の登山道に。 ここまで楽してきたのでちょっと辛い。 ようやく稜線上の「雁峠」が見えてきた。 実はこの前日飲み会で、帰宅したのが1時過ぎで起床が3時と2時間しか寝ておらず、しかもかなり飲んでたので相当二日酔い気味と、最悪のコンディションで、ここまでの登りは息も絶え絶え、フラフラでした。 で、ようやくたどり着いた雁峠にてパチリ。 広やかな草原の峠は強い風が吹きぬけ、とても寒く、既に消耗しきった体には辛い。 でもせっかくなので峠の周囲を軽く散策。 林の奥に佇むかつての「雁峠山荘」。 今や完全な廃墟と化しており、ちょっと怖かった。間違っても避難小屋として使える状態ではないので要注意。 と、ここで本日初の「他人」が登ってきた。そう、ここまで誰にも会っていなかったのです。 それを合図にようやく出発。いきなりの急登に息が上がる。体調は相変わらず最悪。だんだん眠たくなってきて睡魔との闘いが始まる。歩きながら寝そうになること数え切れず。 ようやく最初のピークを越えて少し行ったところにある気持ちの良いベンチで休憩。 前後不覚で10分少々寝る。 この睡眠が効いたのか、それからは徐々に体調が回復、足取りも軽くなってきて、ようやく奥秩父の自然を愛でる余裕が出てきたよ。 いくつかのピークを越えてようやく本日の目的地、雁坂峠に到着。 うーむ、やはりこの峠は最高だ。何時間でも佇んでいたくなる。 ここをぶち抜く道路が出来なくて本当に良かった。 峠の雰囲気を思い切り堪能してから本日の宿・雁坂小屋のテント場へ。 先客は2組ほど。小屋番のオジサンも居たのでとりあえず冷えたビール(スーパードライだけどそこは我慢)を購入。何度も買いに来るのは面倒なので4本買ったら、オジサンに「飲みすぎだよ!」と言われてしまった。へっへっへ。 テントを張ったら飲んで食べるしかない、ということで早速調理。先日ヒゲ坊主さんに教えてもらったタラコスパゲティの素でパスタを製作。 うん、これは確かに旨い!ヤマモリのタイカレーと並んで定番にしよう。 夕方、俄かに濃い霧が湧き出し、みるみるうちに雨が降り出す。 雨はそのまま朝まで続いた。 奥秩父の山には霧と雨がよく似合う。 (続く) #
by namifujisan
| 2013-06-23 19:04
| 山
2013年 06月 16日
またまた1年遅れのお話。
ちょうど1年前の今頃、奥秩父の雁坂峠へ行ってきました。 今でこそこの峠のドテッ腹は、埼玉と山梨を結ぶ唯一の車道である「雁坂トンネル」が貫いていますが、かつてトンネルが開通(確か1998年)するまでは、この峠を越える山道(もちろん車両通行不可)が歴とした国道として地図にも載っていました。そして、ここは日本書紀に「日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が通った」と記される、日本の歴史上最も古く文献に登場する峠であり、日本三大峠の一つに数えられる由緒正しき場所なのです。 昔から「峠」と名のつく場所が大好き(と言っても走り屋的な意味ではなく)な私は、そんな由緒にあこがれていたのは勿論ですが、それよりも何よりもこの雁坂峠には「国道を跨ぐ公衆便所がある(?)」という話に大いに興味を惹かれ、長年行って見たいと思い続けていた憧れの場所へついに初訪問。ワクワクドキドキです。 自宅を4時前に出発、中央道~勝沼~塩山~国道140号と経由し一旦雁坂トンネルをくぐり秩父側へ抜け、とある道の駅に車をデポ。そこから自転車で少し下ったところが雁坂峠登山口(突出峠道)。登山口の脇に自転車をデポして歩き始める。 初夏の強い日差しと、昨日飲んだバリウム(そう、前日は人間ドックだったのです)のせいか調子がすこぶる悪く、亀のごとく遅々として進まぬ歩み。とはいえ、他人のペースに無理に合わせる必要が無いのが単独行のいいところ。焦らずゆるゆる登ります。単独行サイコー! 途中にあった素朴過ぎる石仏。顔がノッペラボー。 最初はジリジリ照っていた太陽もいつの間にか姿を隠し、少し涼しくなってきた。 ひたすら登ること3時間、ようやく突出(つんだし)峠に到着。 ここからは斜度がゆるやかになるらしい。 山場は越えた(らしい)ので昼食休憩。 樺(かば)避難小屋というとても快適そうな小屋の前のベンチにて店を広げる。 ここまで一人もすれ違わず。やはり奥秩父は人が少なくて良いなー、と思っていたら前方からカラビナをジャラジャラ言わせながら沢タビを履いてメットを被ったオッサン登場。 一人でナントカ沢を攻めてきた、ホントは小屋のすぐ側に出るはずが、最後のツメで方向を間違ってかなり先のほうまで行ってしまった、マイッタマイッタと。 一人で奥秩父の沢を攻めるとはかなりのベテランに違いない。ひとしきり歓談し、お互いの無事を祈りつつ先に出発。 結局この日はこれ以降雁坂小屋に着くまで誰とも会わず。奥秩父恐るべし。 もう山場は越したと気楽に歩いていると、最後の最後に本日一番の急坂登場。 その名も「だるま坂」。 4時間近く登ってきた身には堪えるぜ。 更に霧がどんどん深く濃くなり、まだ昼過ぎだというのにまるで夕方のような暗さに。 一人だとちょっと怖いくらいの幽玄の世界である。暗く陰鬱な、これぞまさしく奥秩父の真骨頂。 そんなこんなで霧の中にようやく雁坂小屋が見えてきたときは心底ホッとした。 周囲の風景に溶け込むような、素敵な佇まいの小屋である。 テント場に行ってみると既に数人の先客。 せっかくなので人気の無い場所を選び今宵の宿を設営。 いやー、雰囲気のある良いテン場だ。 前回まで使っていたテントは売却し、今回からおニューのテント。 高校時代、部の備品だったダンロップテントと全く同じ色(オレンジの本体+青いフライ)というノスタルジックなダンロップの新型。余りの懐かしさに即購入決定してしまいました。 そして、これが噂の「国道便所」。 トンネル開通まで国道だった登山道(黒岩尾根道)の上に立てられた雁坂小屋の便所。 まあ要するに限られた稜線上のスペースを有効活用したらこうなった、みたいな。 最近の山小屋にありがちな近代的なトイレではないけれど、とても清潔で好感の持てる「良い便所」です。 テントを張ったら小屋から徒歩15分の雁坂峠まで空荷で向かいます。 暗く陰鬱な奥秩父の森を抜けるとそこは明るく開放感溢れる峠でした。 峠から山梨方面を望む。 峠を境にこれだけ雰囲気が変わるというのは奥秩父ならでは。 古来から人々の往来が盛んだった峠にふさわしく、なんとも良い「気」に満ち溢れた爽やかな場所でした。いつまでも佇んでいたくなるような。 ひとしきり峠の雰囲気を楽しみ、再び雁坂小屋へ戻り、テントで酒飲みながら読書など。至福のひと時を過ごし、前後不覚で就寝。 翌朝、山梨方面から湧き上がる雲に飲み込まれる山。 帰路は往路とは違う黒岩尾根道を。 今日もまた深い霧に包まれた幽玄な雰囲気の中を下る。 奥秩父には霧が似合うなあ。 #
by namifujisan
| 2013-06-16 22:39
| 山
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