2009年 03月 19日
私の二輪遍歴(1) |
最近ではすっかり二輪と言えば自転車な私ですが、元々はバイク(エンジン付き)乗りでした。
自転車の世界もバイクから入って来た人が結構多く、皆さん結構コアにリッターバイクとかレースとか改造とかに携わっていたりするわけですが、私の場合はそこまでコアではありませんでした。
なにしろ、免許を取ろうと思った動機が「釣りに行くのにバイクがあったら便利だな」というものでしたから。
18歳の頃、すなわち今から22年も前の話ですが、学校に入って親元を離れ神戸で一人暮らしを始めた頃、私の趣味は釣り(主にブラックバス)でした。
高校卒業まで住んでいた大分では、自宅から自転車で1時間くらい走れば(と言っても距離は20km弱)バスの釣れる池やらライギョの釣れる川やらが数箇所あり、休みの度に自転車に竿と道具を積んでせっせと釣りに出かけていたのでした。
それが、神戸に住むようになるとバスの釣り場までの距離が激しく遠くなり、とても自転車で行ける範囲ではなくなり、電車とバスを乗り継いで加古川とか小野方面の池や川に出かけるようになったのですが、これがとても面倒くさくて時間の制約もあるし機動性も悪い。更に電車賃とかバス代も馬鹿にならない。バス(Bass)を釣るのにバス(Bus)に乗る。
そこで思いついたのが「エンジン付きの乗り物があれば・・・」ということ。
さすがに車は駐車場とか維持費とか車検とか、学生にはかなり荷が重いけど、車検の無い250cc以下のバイクならなんとかなるかな?ということでお金を貯めて中型二輪免許を取り、新車で買ったのがこのバイク。
ホンダのVTZ250です。
ホンダが誇る水冷4サイクル90度V型2気筒エンジンを搭載したVTシリーズは、元々は当時大人気だったヤマハのRZという2サイクルの人気車をターゲットとして開発された「走りのためのエンジン」だったわけですが、低燃費で乗りやすい特性のおかげで「二輪界のカローラ」と呼ばれるほどのヒット作となっていました。
元々「釣りに行くための足」が欲しかった私にとって「低燃費」というのは大きな魅力で、ほとんど迷うことなくこのVTZに決定。
値段は確か39万8千円くらいと、当時の250ccクラスの中では飛びぬけて安かった(他はだいたい40万超)のも大きな魅力でした。
このバイクは、今から思えば本当に良いバイクでした。
とにかく燃費が良く、低速トルクが太くて乗りやすく、ゆったりめのポジションは長時間のライディングも全く苦にならない、ツーリングバイクとしては理想的なやつでした。
そのおかげで、釣りの足に留まらずあちこちに遠出するのが楽しくなり、結果的にバイクそのものが好きになるきっかけにもなったのでした。
当時、ヒマな学生だった私はヒマに飽かせて神戸~大分ノンストップ20時間ツーリング(一般道のみ)とか、本当にあちこち出かけたものです。ダート走行なんかもたまにやってました。
今でもたまにこのバイクが現役で走っている姿を目にするので、よっぽど丈夫なバイクだったんですね。
もし今何か一台バイクをあげる、と言われたらこれが欲しいな。
しかし、結局このバイクに乗っていたのは半年ほど。
次第に釣りよりもバイクそれ自体に興味の対象が移ってくるに従い、あまりにも乗りやすく優等生、ある意味無個性でつまらないこのバイクよりももっと楽しそうでカッコイイやつに乗ってみたい。そんな思いが強くなって来たのでした。
で、半年後に買い換えたのがこれ。
カワサキのFX400Rというやつです。
これは、当時のカワサキの人気車種GPZ400R Ninjaというフルカウルのバイクからカウルを取り去り、フレーム素材をアルミから鉄に、2本出しマフラーを集合管に変更した派生型。
私はカウル付きバイクというのが嫌いだったのですが、当時はフルカウルのレーサーレプリカ全盛時代でカウル無しバイクというのがほとんど無い時代。その後、ネイキッドブームの先駆けとなったカワサキのゼファーというバイクもまだ発売されていなかった頃なので、非常に狭い選択肢の中から選んだのがこのバイクでした。
見た目はマッチョでクール、本家のGPZ400Rよりも格好良い!(と当時は思っていました)
しかも、カワサキのバイクに神戸ナンバーというのが何よりも格好良い!(カワサキの地元は明石で神戸ナンバーのテリトリー)
と、買った当時は主に見た目とイメージで大いに盛り上がっていたのですが、実際に乗ってみるとこのバイクはちょっと・・・でした。
まず、VTに比べて重い(400ccなんだから当たり前)。
しかも、重い割りにパワー(というかトルク)が無い。これは恐らく集合マフラーのせいでしょう。
本家のGPZに比べて明らかにトルクが細く、400ccらしい低速からの「ズズッ!」と出る感じが無く、ひたすら回転を上げてスピードを乗せて行かないと走らない感じ。
そのため、とにかく燃費が悪い。VT比40%くらい燃費が悪化、これは貧乏学生には辛かった。
更に、やたらと前下がりなシートとバックステップのせいで腰が安定せず、低いハンドル高とあいまって長距離ツーリングは非常に辛い。
どちらかと言うと短距離をサクっとレーシーに走るためのバイクというのが本来の性格のようでした。
そんなバイクを生粋のツーリング派の自分が買ってしまった。
正直、かなり後悔しましたが、だからと言ってすぐにまた違うのが買えるわけもなく、重くのしかかるローン(新車価格59万円のほぼ全額がローン)にあえぎつつ結局最初の車検ギリギリまで2年ほどフラストレーションを抱えた状態で乗り続けたのでした。
でも、このバイクではあちこち遠出のツーリングをしました。
初めてテントと寝袋を積んでの野宿ツーリングに出たのもこのバイクだし、その後何度も訪れることになる四万十川に初めて行ったのもこいつでした。
ロングに出ると、とにかくその燃費の悪さがフトコロに痛く、何よりもポジションが辛かったのでシートが水平になるように加工したり、同じカワサキのGPX250のハンドルブラケットに交換してハンドル高を上げたりと、いろいろ自分であれこれ加工しましたな。
バイクの改造といえば、当時はマフラー交換とかバックステップとかレーシングシートとかが定番でしたが、私はひたすら「長距離で楽なポジション」のための改造でした。給排気系は全くいじらず。
そんなこんなで、この鈍重なバイクに荷物満載なツーリングをしていく中で、いつしか「もっと身軽に」「もっと気軽に」という欲求が高まり、その欲求はいつしかオフロード方面に向かって行くのでした。
(そのうち 続く かも)
自転車の世界もバイクから入って来た人が結構多く、皆さん結構コアにリッターバイクとかレースとか改造とかに携わっていたりするわけですが、私の場合はそこまでコアではありませんでした。
なにしろ、免許を取ろうと思った動機が「釣りに行くのにバイクがあったら便利だな」というものでしたから。
18歳の頃、すなわち今から22年も前の話ですが、学校に入って親元を離れ神戸で一人暮らしを始めた頃、私の趣味は釣り(主にブラックバス)でした。
高校卒業まで住んでいた大分では、自宅から自転車で1時間くらい走れば(と言っても距離は20km弱)バスの釣れる池やらライギョの釣れる川やらが数箇所あり、休みの度に自転車に竿と道具を積んでせっせと釣りに出かけていたのでした。
それが、神戸に住むようになるとバスの釣り場までの距離が激しく遠くなり、とても自転車で行ける範囲ではなくなり、電車とバスを乗り継いで加古川とか小野方面の池や川に出かけるようになったのですが、これがとても面倒くさくて時間の制約もあるし機動性も悪い。更に電車賃とかバス代も馬鹿にならない。バス(Bass)を釣るのにバス(Bus)に乗る。
そこで思いついたのが「エンジン付きの乗り物があれば・・・」ということ。
さすがに車は駐車場とか維持費とか車検とか、学生にはかなり荷が重いけど、車検の無い250cc以下のバイクならなんとかなるかな?ということでお金を貯めて中型二輪免許を取り、新車で買ったのがこのバイク。
ホンダのVTZ250です。
ホンダが誇る水冷4サイクル90度V型2気筒エンジンを搭載したVTシリーズは、元々は当時大人気だったヤマハのRZという2サイクルの人気車をターゲットとして開発された「走りのためのエンジン」だったわけですが、低燃費で乗りやすい特性のおかげで「二輪界のカローラ」と呼ばれるほどのヒット作となっていました。
元々「釣りに行くための足」が欲しかった私にとって「低燃費」というのは大きな魅力で、ほとんど迷うことなくこのVTZに決定。
値段は確か39万8千円くらいと、当時の250ccクラスの中では飛びぬけて安かった(他はだいたい40万超)のも大きな魅力でした。
このバイクは、今から思えば本当に良いバイクでした。
とにかく燃費が良く、低速トルクが太くて乗りやすく、ゆったりめのポジションは長時間のライディングも全く苦にならない、ツーリングバイクとしては理想的なやつでした。
そのおかげで、釣りの足に留まらずあちこちに遠出するのが楽しくなり、結果的にバイクそのものが好きになるきっかけにもなったのでした。
当時、ヒマな学生だった私はヒマに飽かせて神戸~大分ノンストップ20時間ツーリング(一般道のみ)とか、本当にあちこち出かけたものです。ダート走行なんかもたまにやってました。
今でもたまにこのバイクが現役で走っている姿を目にするので、よっぽど丈夫なバイクだったんですね。
もし今何か一台バイクをあげる、と言われたらこれが欲しいな。
しかし、結局このバイクに乗っていたのは半年ほど。
次第に釣りよりもバイクそれ自体に興味の対象が移ってくるに従い、あまりにも乗りやすく優等生、ある意味無個性でつまらないこのバイクよりももっと楽しそうでカッコイイやつに乗ってみたい。そんな思いが強くなって来たのでした。
で、半年後に買い換えたのがこれ。
カワサキのFX400Rというやつです。
これは、当時のカワサキの人気車種GPZ400R Ninjaというフルカウルのバイクからカウルを取り去り、フレーム素材をアルミから鉄に、2本出しマフラーを集合管に変更した派生型。
私はカウル付きバイクというのが嫌いだったのですが、当時はフルカウルのレーサーレプリカ全盛時代でカウル無しバイクというのがほとんど無い時代。その後、ネイキッドブームの先駆けとなったカワサキのゼファーというバイクもまだ発売されていなかった頃なので、非常に狭い選択肢の中から選んだのがこのバイクでした。
見た目はマッチョでクール、本家のGPZ400Rよりも格好良い!(と当時は思っていました)
しかも、カワサキのバイクに神戸ナンバーというのが何よりも格好良い!(カワサキの地元は明石で神戸ナンバーのテリトリー)
と、買った当時は主に見た目とイメージで大いに盛り上がっていたのですが、実際に乗ってみるとこのバイクはちょっと・・・でした。
まず、VTに比べて重い(400ccなんだから当たり前)。
しかも、重い割りにパワー(というかトルク)が無い。これは恐らく集合マフラーのせいでしょう。
本家のGPZに比べて明らかにトルクが細く、400ccらしい低速からの「ズズッ!」と出る感じが無く、ひたすら回転を上げてスピードを乗せて行かないと走らない感じ。
そのため、とにかく燃費が悪い。VT比40%くらい燃費が悪化、これは貧乏学生には辛かった。
更に、やたらと前下がりなシートとバックステップのせいで腰が安定せず、低いハンドル高とあいまって長距離ツーリングは非常に辛い。
どちらかと言うと短距離をサクっとレーシーに走るためのバイクというのが本来の性格のようでした。
そんなバイクを生粋のツーリング派の自分が買ってしまった。
正直、かなり後悔しましたが、だからと言ってすぐにまた違うのが買えるわけもなく、重くのしかかるローン(新車価格59万円のほぼ全額がローン)にあえぎつつ結局最初の車検ギリギリまで2年ほどフラストレーションを抱えた状態で乗り続けたのでした。
でも、このバイクではあちこち遠出のツーリングをしました。
初めてテントと寝袋を積んでの野宿ツーリングに出たのもこのバイクだし、その後何度も訪れることになる四万十川に初めて行ったのもこいつでした。
ロングに出ると、とにかくその燃費の悪さがフトコロに痛く、何よりもポジションが辛かったのでシートが水平になるように加工したり、同じカワサキのGPX250のハンドルブラケットに交換してハンドル高を上げたりと、いろいろ自分であれこれ加工しましたな。
バイクの改造といえば、当時はマフラー交換とかバックステップとかレーシングシートとかが定番でしたが、私はひたすら「長距離で楽なポジション」のための改造でした。給排気系は全くいじらず。
そんなこんなで、この鈍重なバイクに荷物満載なツーリングをしていく中で、いつしか「もっと身軽に」「もっと気軽に」という欲求が高まり、その欲求はいつしかオフロード方面に向かって行くのでした。
(そのうち 続く かも)
by namifujisan
| 2009-03-19 11:26
| 自転車